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発達障害を
ユニーク=
ヒューマニティ症候群

呼んでみませんか?

突飛な提唱ですが、最後までお読みいただければ幸いです。

最後に

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改めて申し上げますが、世の中にユニークな人は沢山いると思います。歴史を振り返ってみても、天才的発明をした人たちはすべてと言っていい程この概念に当てはまるのかもしれません。ドラマで話題になったサヴァン症候群もそうかもしれません。歴史に名を残すくらいの人は、すべてユニークな人と言っても過言ではないと思います。しかし、良い業績の反面、人付き合いで失敗をしたり、あまりにも偏屈で家族のことをかえりみなかったり、個人的・社会的には不適応を起こしていることもあったと思います。


ユニークな人たちは、特別な才能や得意な分野を持つ反面、発達的特徴から適切な判断を誤ることがあったり、「衝動的行動から誰かを傷つけ、しかし敏感故に、自分がそれ以上に傷付いてしまう場合があるのだと思っています。その本人の辛さを理解することが一番大切なことだと感じています。


人は皆が個性を持っています。誰一人として同じ人間はいないと思います。究極は「すべての人=ユニーク」だと思っています。その中に、医学的サポートがあった方がより日常生活が過ごしやすくなる人々がいる、そう考えています。また、発達障害に関する諸問題は、大人であっても家族の理解や協力は必要と感じます。さらに言えば、社会の理解と支援も必要だと感じています。


人の持つユニークさに関連して、時に医療や周囲の支援が必要なことがある。そういう視点が社会に広がれば、より診療に対する敷居は下がり、より、医療にも相談しやすい社会になっていくと思います。人のユニークさに関連した諸問題を扱う「ユニーク外来(=大人の発達相談外来/大人の発達支援外来)」が当たり前にある社会が、遠くない未来にあることを願っています。(※「ユニーク外来」は「ユニーク ヒューマニティ 症候群(ユニーク症候群/ヒューマニティ症候群)」と同じく私の造語ですので、その点については誤解の無いようにお願いいたします)



あらかじめお断りしておかなければならないことがあります。それは、診断・治療によって、すべての問題が解決するわけではないということです。新しく診断・治療がなされても、そのことですぐに幸せがもたらされる訳ではありません。辛さが軽減されても、積年の苦しみがすぐにすべて解決される訳ではありません。時間をかけなければ取り戻せない自信や人生があります。あくまでもご本人やご家族の人生は自ら切り拓くものと考えます。努力も要します。それでも、希望が持てれば自分が向かいたい方向に進んでいけると思います。発達障害の診療はその共同作業なのだと思っています。


医療の出来ることは、


① より正確な診断 

② 症状理解の補助や支援  

③ 治療可能性の提案


だと思います。あくまで主役は治療を受けられる方ご自身です。それに対して、私を含めた医療者・支援関係者は、支援を求められる限り、出来るだけ応えていかなければならないと思っています(適切さも含めて)。


小児の分野では小児神経科、小児発達神経科、児童精神科等の分野が主に「発達障害」に関わっています。精神科でも児童精神科、児童思春期科等の分野があります。絶対数は少なくとも小児の「発達障害」の受け皿は徐々に広がっています。


しかし「大人の発達障害(大人の神経発達症/大人の神経発達障害)」を正確に診断するのは一般精神科の仕事です。精神疾患全体を把握した上での正確な診断が求められると思います。今後「大人の発達障害(大人の神経発達症/大人の神経発達障害)」を診断、治療する事は、社会が精神科医に求める基本的な事柄になると考えています。


今後この分野への理解が深まり、辛い思いをしている人が一人でも減ることを切に願っています。理解や治療を通し、多くの方の「辛さ」や「生きにくさ」が減り、「自信」が回復することを願ってやみません。


また「自己受容」こそが、そのスタートであり、ゴールなのだとも思っています。「自己受容」の先には今までとは違った「自分」がいるはずです。その「自分」を素直に愛することが出来れば、それは幸せなことなのだと思います。人は、本来、自分を好きになりたい気持ちを持っていると思います。それが満たされ幸せを感じられることは、人が生きてゆく上での大きな幸せの一つなのだと思います。そして、そのことが周囲の人々の幸せにもつながるのだと思います。だからこそ「発達障害」は人とも密接であるのだと思います。


簡単な道のりではない場合も多いと思います。しかし「大人の発達障害(大人の神経発達症/大人の神経発達障害)」の治療に年齢は関係ないと思っています。良くなりたいと思った時が、スタートなのだと思っています。



(2014.11.20 公開 2018.9.6 更新)

「自己受容」のスタートは、ありのままの自分を素直に見つめ、そして直面、直視することです。これは実は簡単な事ではありません。


しかし、徐々に自分の現実を受け入れ、自分で自分を認め、自分の限界を知ることも出来るのだと思います。


少しずつでも、自分の現実から逃げる事無く自分を受け入れ、過去の失敗も成功もすべて含めて今の自分に必要だったと思えるようになれて、そして、自分のあるがままを肯定出来る様になれるのだと思います。


未来のいつか、周囲のすべてに感謝することが出来て、ありのままの自分を愛することが出来る日がきっと来るのだと思います。


それが「自己受容」のゴールなのだと思っています。

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